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『ゴプセック』

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バルザックの短編『ゴプセック』を読了しました。

愛人のために一家の財産を食いつぶす貴族の婦人と、息子の将来のためにそうはさせまいと巧妙な遺産相続の手続きを講じて妻の浪費を防ごうとするその夫、そしてその出来事に関わる高利貸と代訴人(*)。この小説は、遺産相続をめぐる争いに焦点を合わせた作品です。

妻は一家の遺産の行方を決定づける重要書類のありかをさぐろうと、死期が迫る夫の寝室の前で彼の一挙一動をひたすら監視するのですが、その姿はまるで餌食が滑り落ちてくるのを巣の底で待ち受けるアリジゴクのようでおそろしい。

人間の欲望は底なしなのか…
コワイ、コワイ!

久々に手に汗を握る、スリリングな小説を読みました。
半日もあればサクッと読了できるオススメの一冊です。

*訴訟手続のみを担う職業。
by ppompie | 2009-11-05 23:36 | 本・雑誌


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